晩秋の嵐山②清凉寺(嵯峨釈迦堂)と二尊院
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宝厳院と宝筐院という圧倒的な紅葉の名所の後は、少しテーマを変えて、仏像を観たかった。素晴らしい仏像を拝観しつつ、秋の季節らしく、紅葉も見られるところを選んだ。
宝筐院の後は、清凉寺に向かって歩き出す。大混雑だった宝厳院や宝筐院を思えば、けっこう空いている。この辺りは、人気の嵐山・嵯峨野エリアでも、外国人観光客もとても少なくて、秋の紅葉の季節でも、常識の範囲で考えられる程度の人出だった(渡月橋や天龍寺の辺りは非常識なほどの混雑だ)。
清凉寺は嵯峨釈迦堂とも呼ばれる。中世には融通念仏の道場として栄えた。三国伝来の釈迦如来を本尊に持つ。本尊の釈迦如来は、37歳の時の釈迦の姿であると言われており、国宝にも指定されている。仏像好きの人にとっては、「有名人」ならぬ「有名仏」で、仏像の本などでもよく紹介されている。写真で見ると華奢な感じなのだが、実物は生々しく、オーラが凄い。なんというか、異彩を放っている。また、春と秋に特別公開されている霊宝館では、阿弥陀三尊のほか、文殊菩薩と普賢菩薩など、美しい仏像が多数。野球に例えるとオールスター級。「有名仏」多数。ちょうど公開期間だったので、その霊宝館にも行ってきた。
清凉寺は庭園も見どころとなっている。私は、本堂の釈迦如来像を拝観し、いったん本堂から出て、渡り廊下を大方丈へと向かって歩いて行く。左を見ると弁天池と弁天堂が視界に入る。右を見ると先程出てきた本堂を振り返る格好となる。
境内の紅葉が際立っている。こういう、お寺と紅葉、という京都らしい風景を見たくて、わざわざ嵐山まで来たのだった。
清凉寺は観光客ばかりでなく、地元の人らしきお参りの人も数多い。一日の日課に、日常の中に清凉寺へのお参りが入っているのだろうか。靴を脱いで本堂に上がり、本尊を拝んで、帰っていく。
続いて、私は二尊院に足を延ばしてみる。この辺りからであれば、他には常寂光寺、祇王寺、化野念仏寺が徒歩で散策可能なエリアだが、今回、私は二尊院の仏像を観たかった。前述したように、前半が紅葉、後半が仏像というテーマの一日を描いていた。
阿弥陀如来と釈迦如来の二尊を本尊とすることから二尊院と呼ばれている。仏像に興味を持った当初は、ふたつの如来が同時に本尊とされることが何とも興味深かった。実際にお堂の中に、大きさはそれほど大きなものではないが、並んで二尊。初めて訪れた時なども長い時間、ふたつの如来をただ眺めていたものだった。
総門から入ると、境内に至るまでの長い参道が緩やかな勾配の石段となっている。この参道は『紅葉の馬場』と呼ばれ、とくにこの時期、人の目を楽しませてくれる。人が多かったため、写真には撮らず、上がったところで写真を撮った。
本尊の二尊は、右に釈迦如来、左に阿弥陀如来。現世から来世に向けて送り出す仏と、極楽にあって迎え入れる仏である。大雑把に言えば、右が現世、左が未来だろうか。ちなみに御朱印をいただくと、印は右に「釈迦」、左に「弥陀」、中央に「二尊院」となっており、手書き部分は「本尊二尊」となっている。
二尊院の紅葉。ちょうど見頃。
二尊院の総門を出たところに茶店があって、そこで団子を食べた。普段、団子なんて食べないが、普通に団子を注文してしまう。なぜだろう。コーヒーとセットで500円くらい。予想よりも安く、体も温まった。
せっかく嵯峨野・嵐山まで来たので、帰りは中の道を通る。中の道とはいっても、嵐山ではこちらがメインストリートで、有名な竹林がある。大混雑する竹林を歩いて、JR嵐山駅まで歩いた。
平日とはいえ、紅葉の時期の嵐山はすごい混雑で、あまりの人出に圧倒されてしまったが、紅葉は期待した通り素晴らしいもので、たくさん仏像にも拝観できたので、充実した気持ちで大阪へと帰った。
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