さすらい人幻想曲

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2018信州の旅①小布施

夏休みに長野に旅行に行ってきた。子供が生まれたばかりの年は別にして、ほぼ毎年のように長野県に行っているが、まだまだ行っていない場所は多く、「行っていないが行ってみたい場所」リストの中から、今年は小布施を選んだ。信州の小京都と呼ばれる小布施。私は小京都とか古都とか言われるところが好きで(みんなそうかもしれないが)、できれば行って自分の目で見て歩いてみて、どんな場所なのか確認したかった。

意外に車の時間がかかって、着いたのは昼だった。

カジュアルなイタリアンを楽しめる『小布施堂傘風楼』という店に入る。私たちが座ったボックス席は窓際で水路に面しており、何とも風情がある。そして一面に広がる窓から小布施の美しい街並みを望むことになる。

小布施を訪れる人の99%が訪れるであろう『北斎館』を訪れ、その後、栗の小道を歩く。それと知らなければ、栗の木が地面に埋め込まれているとは意識しない小路は休日となると人でごった返すのかもしれないが、夏休みとはいえ全くの平日ということで、とても空いていた。古都の路地の落ち着きがある。

『高井鴻山記念館』。商人でありながら一級の芸術家であったという、多彩な顔を持つ高井鴻山という人物について私は今まで何も知らなかった。一言で言うと、鬼才。小布施に行かなければ、一生縁がなかったかもしれない。

『小布施堂』のかき氷。小布施らしい、栗のかき氷もあったが、私は栗がそれほど好みでないため、普通にイチゴのかき氷を選んだ。かき氷はある意味とても難しい食べ物で、店で食べるかき氷には「当たり」と「はずれ」があると思っている。「はずれ」は、シロップが市販のもの、氷も雑。そういう店に出会ってしまったら、ガリガリ君を食べている方が幸せだと思えてくる。「当たり」は、氷もきめが細かくて、柔らかい。『小布施堂』のかき氷は「当たり」だった。氷は天然氷。ふわふわである。イチゴがゴロゴロ入っていて上等なジャムのようなシロップ。

食べ物が「当たり」だと旅全体も「当たり」のように思えてくるから幸せだ。そんな気持ちで小布施を後にした。

◆今回の撮影に使用したカメラ